大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和59年(ワ)1915号 判決 1985年1月22日

甲事件原告

日産火災海上保険株式会社

甲及び丙事件被告(乙事件原告)

三菱交通株式会社

乙事件被告(丙事件原告)

株式会社味覚屋

主文

一  被告は、原告日産火災に対し金六六万五〇〇〇円及びこれに対する昭和五八年九月二三日から支払済まで年五分の割合による金員を、原告味覚屋に対し金一一九万四八七〇円及びこれに対する昭和五九年九月七日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告味覚屋は被告に対し、金二六万二三八六円及びこれに対する昭和五八年九月三日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告日産火災、被告及び原告味覚屋のその余を請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用は本訴反訴を通じこれを一〇分し、その一を原告日産火災及び同味覚屋の負担とし、その余の被告の負担とする。

五  この判決は第一項及び第二項に限り仮に執行することができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

〔甲事件〕

一  請求の趣旨

1 被告は原告日産火災に対し、金六七万七二五〇円及びこれに対する昭和五八年九月二三日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

3 仮執行の宣言。

二  請求の趣旨に対する被告の答弁

1 原告の請求を棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

〔乙事件〕

三 請求の趣旨

1  原告味覚屋は被告に対し、金九〇万四七二〇円及びこれに対する昭和五八年九月三日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は原告味覚屋の負担とする。

3  仮執行の宣言。

四 請求の趣旨に対する原告味覚屋の答弁

1  被告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

〔丙事件〕

五 請求の趣旨

1  被告は原告味覚屋に対し、金一二四万四六五七円及びこれに対する昭和五九年九月七日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  仮執行の宣言

六 請求の趣旨に対する被告の答弁

1  原告味覚屋の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告味覚屋の負担とする。

第二当事者の主張

〔甲事件〕

一  原告日産火災の請求原因

1 事故の発生

別紙記載のとおりの交通事故が発生した。

2 責任原因(使用者責任、民法七一五条一項)

被告は、訴外松岡洋輝(以下「松岡」という。)を雇用し、同人が被告の業務の執行として被告車を運転中、対面信号機が赤色を表示しているのにこれに従わず、かつ、左右の安全を確認することを怠り、漫然本件交差点に進入した過失により本件事故を発生させた。

3 損害

(一) 原告車

原告味覚屋所有の原告車は修理不能の破損をして、事故当時の時価三五万円相当の損害を蒙り、また、臨時に一万七五〇〇円の出費を余儀なくされた。

(二) 橿山車

訴外橿山進(以下「橿山」という。)所有の橿山車は修理費として六〇万円を要した。

4 保険代位

原告日産火災は原告味覚屋と自動車保険契約を締結していたところ、原告味覚屋の指図に基づき、昭和五八年九月二二日、原告車修理代金等三六万七五〇〇円を、また、橿山車修理代六〇万円を、各修理業者に支払つた。

従つて、原告日産火災は、右同日、原告味覚屋の被告に対する損害賠償請求権ないし求償権を、右支払額の限度で代位取得した。

5 よつて、原告日産火災は被告に対し、右内金六七万七二五〇円及びこれに対する保険代位の日の翌日である昭和五八年九月二三日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  原告日産火災の請求原因に対する被告の認否

1 請求原因1は認める。

2 同2の事実は松岡の過失の点を除き認める。本件事故は、原告車運転者田中の一方的過失により発生したものである。

3 同3及び4は不知。

4 同5は争う。

三  被告の主張(過失相殺)

仮りに松岡に過失があつたとしても、本件事故の発生については原告車運転者田中祐造(以下「田中」という。)にも後記五2のとおりの過失があるから、損害賠償額の算定にあたり大幅に過失相殺されるべきである。

四  被告の主張に対する原告日産火災の認否

被告の主張は争う。

〔乙事件〕

五 被告の請求原因

1  事故の発生

別紙記載のとおり交通事故が発生した。

2  責任原因(使用者責任 民法七一五条一項)

原告味覚屋は、田中を雇用し、同人が原告味覚屋の業務の執行として原告車を運転中、対面信号機が赤色を表示しているのにこれに従わず、停止することを怠り、漫然本件交差点に進入した過失により本件事故を発生させた。

3  損害

(一) 修理費

被告所有の被告車は修理費として八〇万四七二〇円を要した。

(二) 被告は、タクシー業を営む会社であるが、被告車の修理に要した一〇日間、同車を営業のために運行することができず、少なくとも一日当り一万円(被告の本件事故当時の事業用自動車一台一日当りの運賃収入額三万六七一八円に人件費及び燃料費割合の七二・二七パーセントを控除すると一万〇一八一円となる。)の合計一〇万円の営業利益を逸失した。

4  よつて、被告は原告味覚屋に対し、損害賠償金九〇万四七二〇円及びこれに対する本件不法行為の日である昭和五八年九月三日から支払済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

六 被告の請求原因に対する原告味覚屋の認否

1  請求原因1は認める。

2  同2は、田中の過失の点を除き認める。

3  同3は否認する。

4  同4は争う。

七 原告味覚屋の主張(過失相殺)

本件事故の発生については被告車を運転していた松岡にも一2のとおりの過失があるから、損害賠償額の算定にあたり大幅に過失相殺されるべきである。

八 原告味覚屋の主張に対する被告の認否

原告味覚屋の主張は争う。

〔丙事件〕

九 原告味覚屋の請求原因

1  事故の発生

別紙記載のとおりの交通事故が発生した。

2  責任原因(運行供用者責任、自賠法三条)

被告は、被告車を所有し、業務用に使用し、自己のために運行の用に供していた。

3  損害

(一) 受傷、治療経過

田中は、本件事故により、第五、第六頸椎間脱臼、第五頸椎左下関節突起骨折、右第五、第六肋骨々折の傷害を負い、安井病院に昭和五八年九月三日から同年一一月七日まで入院し、同月八日から昭和五九年四月一九日まで通院して治療を受けた。

(二) 休業損害

田中は、本件事故当時、原告味覚屋の代表取締役として、一か月五五万円の報酬を得ていたが、右受傷、治療のため右入院期間中は一〇〇パーセント、退院した昭和五八年一一月八日から同年六月三〇日まで五〇パーセント就労不能であつた。従つて、右退院後の休業損害は、左記算式のとおり二一三万三六九九円である。

(算式)

五五万×一二×二三六÷三六五×〇・五=二一三万三六九九

4  原告味覚屋の支払

原告味覚屋は、田中の右退院後の就労制限中も一か月当り五五万円の報酬を支払つていた。

従つて、原告味覚屋は、民法四二二条、四九九条もしくは六九七条の類推適用により、田中の被告に対する右休業損害二一三万三六九九円相当の賠償請求権を取得した。

5  よつて、原告味覚屋は被告に対し、損害賠償金内金一二四万四六五七円及びこれに対する本件不法行為の日の後の昭和五九年九月七日から支払済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

一〇 原告味覚屋の請求原因に対する被告の認否

1  請求原因1は認める。

2  同2の事実は認める。

3  同3及び4は不知。

4  同5は争う。

一一 被告の主張

1  免責

本件事故は、前記五2のとおり田中の一方的過失によつて発生したものであり、松岡には何ら過失がなかつた。かつ加害車には構造上の欠陥または機能の障害がなかつたから、被告には損害賠償責任がない。

2  過失相殺

仮りに免責の主張が認められないとしても、本件事故の発生については田中にも前記五2のとおりの過失があるから、損害賠償額の算定にあたり大幅に過失相殺されるべきである。

一二 被告の主張に対する原告味覚屋の認否

被告の主張1及び2はいずれも争う。

第三証拠

本件訴訟記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

第一甲事件について

一  事故の発生

別紙記載のとおり交通事故が発生したことは関係当事者間に争いがない(事故の態様の詳細については後記二1のとおりである。)。

二  責任原因

1  事故の態様

成立に争いのない甲第四号証、被告主張のとおりの写真であることに争いのない検乙第一号証、証人松岡洋輝(後記採用しない部分を除く。)及び同橿山進の各証言、原告味覚屋代表者本人尋問の結果(第一回)並びに弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

本件交差点は、西南から東北に通じる五車線で車道幅員合計一七メートルの道路と南北に通じる二車線の道路(本件交差点の北側の幅員九メートル、南側の幅員八メートル)と西方に通じる一車線の道路とが交差する、信号機により交通整理の行なわれている交差点である。

本件事故当時、松岡は、被告車を運転して、右西南から東北に通じる道路を西南方から本件交差点に向つて時速約六〇キロメートルで進行してきて、対面信号が赤色表示であるのに、そのまま直進しようとして本件交差点内に進入し、本件交差点西詰横断歩道付近で左前方約二二・五メートルの地点に本件交差点内を南進してくる原告車を認め、急制動の措置を講じたが及ばず、約一六・七メートル前進した本件交差点中央部付近で、被告車前部を原告車右前部に衝突させ、原告車を東方にはじきとばし、これを本件交差点東詰付近に信号待ち停車していた橿山車に衝突させた。他方、田中は、原告車を運転して、右南北に通じる道路を北方から本件交差点に向かつて時速約四五メートルで進行してきたところ、本件交差点北側に設置されている横断歩道から約二四メートル手前の地点で対面信号の表示が青色から黄色に変わつたのを認めたが、そのまま本件交差点を通過しようと考え、時速約五〇キロメートルにまで加速しながら本件交差点に進入したところ、前記のとおり被告車と衝突し、さらに橿山車と衝突した。

証人松岡洋輝の証言中右認定に反する部分は、証人橿山進の証言により認められる、橿山進は橿山車を運転して、前記西南と東北に通じる道路を東北方から本件交差点に向かつて進行してきたところ、対面信号が赤色表示となつたので、本件交差点東詰の停止線の真近に停車し、青色表示になつたら直ちに発進するつもりで時折り対面信号を見ていたところ本件事故が発生したという事実等に照らして採用することができず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

2  右認定事実によれば、被告車運転者松岡は、本件交差点に進入するに当り、対面信号機の表示に従い、かつ、左方を注視して安全な速度で被告車を走行すべき注意義務があるのにこれを怠り、対面信号が赤色表示であるにもかかわらず時速約六〇キロメートルで本件交差点内に進入した過失があり、他方、原告車運転者田中は、本件交差点に進入するに当り、安全な速度で運転し、対面信号機の表示に従い原告車を走行すべき注意義務があるのにこれを怠り、時速約四五キロメートルで走行してきて、対面信号が黄色表示になつたのを認めながら、赤色表示になる前に本件交差点を通過してしまおうとして、時速約五〇キロメートルにまで加速のうえ本件交差点内に進入した過失があると認められる。

3  請求原因二2の事実は、松岡の過失の点を除き関係当事者間に争いがなく、松岡に過失の存することは右2認定のとおりであるから、被告は、民法七一五条一項により、原告味覚屋及び橿山が本件事故によつて蒙つた損害を賠償する責任がある。

三  損害

1  原告車

弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第三号証によれば、原告味覚屋が実質的に所有する原告車は、本件事故により破損し、その修理のためには五五万五四七〇円を要するところ、本件事故当時の原告車の交換価格は三五万円であつたことが認められるから、本件事故と相当因果関係のある損害額は三五万円であると認められる。

原告日産火災は、原告車破損に関して、その他、原告味覚屋に一万七五〇〇円の支出を余儀なくされたと主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。

2  橿山車

弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第二号証によれば、橿山車は本件事故により破損し、その修理のため交換部品代及び工賃として合計六〇万円を要したことが認められる。

四  過失割合

前記認定の原告車運転者田中及び被告車運転者松岡の各過失の態様等諸般の事情を考慮すると、本件事故発生についての過失割合は田中が三割、松岡が七割と認められる。

従つて原告味覚屋は、被告に対し前記三1の損害額から三割を控除した二四万五〇〇〇円の損害賠償請求権を有することになる。

また、橿山の蒙つた前記三2の損害については、原告味覚屋が三割相当の一八万円、被告が七割相当の四二万円を負担すべきであり、原告味覚屋は、自己の負担部分を超える額を橿山に支払つた場合に右超過部分について共同不法行為者である被告に求償しうることになる。

五  保険代位

証人橿山進の証言により真正に成立したと認められる甲第一号証、証人橿山進の証言及び原告味覚屋代表者本人尋問(第一回)の結果並びに弁論の全趣旨によれば、請求原因一4の各事実が認められる。

従つて、原告日産火災は、昭和五八年九月二二日、原告味覚屋の被告に対する損害賠償請求権二四万五〇〇〇円及び求償債権四二万円を代位取得したと認められる。

第二乙事件について

一  事故の発生

別紙記載のとおり交通事故が発生したことは、関係当事者間に争いがない。

二  責任原因

請求原因五2の事実は、田中の過失の点を除き関係当事者間に争いがなく、田中に過失の存することは前記第一の二2で認定のとおりであるから、原告味覚屋は、民法七一五条一項により被告が本件事故によつて蒙つた損害を賠償する責任がある。

三  損害

1  修理代

弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる丙第一号証によれば、被告が実質的に所有する被告車は、本件事故により破損し、その修理のために七八万円を要したものと認められる。

成立に争いのない乙第一号証によれば、被告(株式会社)の事故防止対策センターにおいて被告車の修理代として八〇万四七二〇円を要するとの見積りをしていることが認められるが、丙第一号証と対比して採用することができず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

2  休車損

証人升田毅の証言並びにこれにより真正に成立したと認められる乙第二号証及び第三号証によれば、次の事実が認められる。

被告の本件事故当時の事業用自動車一台一日当りの営業収入額は平均三万六七一八円である。被告は、被告車の修理に一〇日を要したが、その間運賃収入を逸失した反面、被告車を運行した場合要した経費(人件費、燃料費及び修繕関係費)を免れた。被告の営業収入に対する右経費率は、左記算式のとおり約七四・二三パーセントである。

(算式)

(四億七七一六万六一四〇(給料)+二億一四二四万七八五五(手当)+一億一二五八万一六九二(賞与)+一億三〇三一万一四四一(燃料費)+二三二四万八四九〇(外註修繕費)+二一五万(タイヤチユーブ費))÷一二億九二七八万一五〇〇≒〇・七四二三

従つて、被告は、被告車を修理中一〇日間運行させられなかつたことにより、左記算式のとおり九万四六二二円の休車損害を蒙つたと認められる。

(算式)

三万六七一八×(一-〇・七四二三)×一〇=九万四六二二(端数切り捨て)

四  過失相殺

本件事故発生についての過失割合は、前記第一の四で認定のとおり、田中が三割、松岡が七割である。

従つて、前記損害額八七万四六二二円から七割を減じて被告の損害額を算出すると二六万二三八六円となる。

第三丙事件について

一  事故の発生

別紙記載のとおり交通事故が発生したことは関係当事者間に争いがない。

二  責任原因

請求原因九2の事実は、関係当事者間に争いがない。従つて、被告は自賠法三条により、免責の主張が認められない限り、本件事故による田中の損害を賠償する責任があるところ、本件事故の発生につき松岡に過失が存すること前記第一の二2で認定のとおりであるから、その余について判断するまでもなく、被告の免責の主張は理由がない。

三  損害

1  受傷、治療経過

原告味覚屋代表者本人尋問の結果(第二回)及びいずれもこれにより真正に成立したと認められる丙第四号証ないし第一二号証によれば、請求原因九3の事実が認められる。

2  休業損害

原告味覚屋代表者本人尋問の結果(第二回)及びこれにより真正に成立したと認められる丙第一三号証及び第一四号証によれば、田中は、中華料理店の経営等を目的とする原告味覚屋の代表取締役として一か月当り五五万円の報酬を得ていたことが認められるところ、本件事故のため右入通院期間中就労の制限を余儀なくされたが、右受傷の程度、治療状況等諸般の事情を考慮すれば、昭和五八年一一月八日から昭和五九年六月三〇日までの通院期間中については通じて四〇パーセントの就労の制限が本件事故と相当因果関係のある休業損害であると認めるのが相当であり、左記算式のとおり一七〇万六九五八円となる。

(算式)

六六〇万÷三六五×二三六×〇・四=一七〇万六九五八

四  過失相殺

本件事故発生についての過失割合は、前記第一の四で認定のとおり田中が三割、松岡が七割である。

従つて、前記田中の退院後の休業損害額一七〇万六九五八円から三割を減じて被告に対する損害額を算出すると一一九万四八七〇円となる。

五  原告味覚屋の支払

前掲丙第一四号証及び成立に争いのない丙第一五号証並びに原告味覚屋代表者本人尋問の結果によれば、原告味覚屋は、代表取締役である田中に対し、請求原因九4で主張のとおり、その就労が制限された昭和五八年一一月から昭和五九年六月までの間、本件事故前の報酬月額である五五万円を毎月支払つたことが認められる。

そうすると、原告味覚屋は、被告のために田中の休業損害を立替えて支払い、被告に対する右損害賠償債権一一九万四八七〇円を取得したものと認められる。

第三結論

よつて、被告は原告日産火災に対し金六六万五〇〇〇円及びこれに対する本件不法行為の日の後である昭和五八年九月二三日から支払済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を原告味覚屋に対し、金一一九万四八七〇円及びこれに対する本件不法行為の日の後である昭和五九年九月七日から支払済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を、原告味覚屋は被告に対し、金二六万二三八六円及びこれに対する本件不法行為の日である昭和五八年九月三日から支払済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を、それぞれ支払う義務があり、原告日産火災、被告及び原告味覚屋の請求はいずれも右の限度で正当であるからこれを認容し、その余の請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴訟八九条、九二条、九三条、仮執行宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 長谷川誠)

別紙

1 日時 昭和五八年九月三日午前一時五〇分頃

2 場所 大阪府寝屋川市池田三丁目七番一八号先交差点(以下「本件交差点」という。)

3 第一当事車 普通乗用自動車(大阪四五め五七二号、以下「原告車」という。)

右運転者 田中祐造

4 第二当事車 普通乗用自動車(大阪五五え三三一七号、以下「被告車」という。)

右運転者 松岡洋輝

5 第三当事車 普通乗用自動車(大阪三三て五一七二号、以下「橿山車」という。)

右運転者 橿山進

6 態様 本件交差点内において原告車と被告車が出合頭衝突し、さらに原車が橿山車に衝突したもの

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例